コチョウランの基礎知識

2022年08月15日

コチョウランを一般的な家庭で「より大きく、より多くの花数を開花させること」を目標としているのですが、そのためには基本をきちっと理解しておくことが重要、と今更考え直しています。

市販されている参考書はほとんど購入・・・約8年間に渡ってコチョウランを栽培して、毎年、開花はしてくれている・・・しかし、どうも納得がいかない。そこで、基本をおさらいしておきます。

コチョウランの自生地

何はともあれ、コチョウランが自生している環境が、自宅で実現できれば、全て解決してくれるわけですが、それが不可能だからこそ、色々と工夫が必要になるんです(って、解ってはいるのですが・・・)

コチョウランの主な自生地はマレーシアやボルネオなどの熱帯雨林帯です。高温多湿ですが、コチョウランは「着生ラン」といい、高い木の幹や枝に根を張って生きています。樹上はそれほど暑くもなく、コチョウランは木漏れ日の中でそよ風に吹かれて過ごしています。着生ランなので、根っこは土などに覆われた状態ではなく、常に空気にさらされています。

引用元:「冬の室内を彩るコチョウラン!栽培上手になれる2つのコツ | GardenStory (ガーデンストーリー)」より

改めて、コチョウランの特徴とは・・・

  • 熱帯雨林に自生している!
  • 高温多湿が好き!
  • 木洩れの日の中で育つ!
  • そよ風も吹いている環境が好き!
  • 根っこは空気にさらされている!

上記をベースに、温度、湿度、かん水、日当たり、通風の5つの環境を管理していく必要があります。「管理」というとちょっと大袈裟ですが、要は「5つの環境条件」を工夫しなければならないということになります(本ブログ投稿記事「コチョウラン栽培で管理すべき5つの要件」参照)。

温湿度管理

ウェブサイト「Cyber Wild Orchid」
Cyber Wild Orchid

我が家のコチョウランは、交配種という分類で、育種家による改良が施されていて、日本の環境により耐えられるようになっていると想定していますが、よりよい環境を揃えるために「コチョウランの原種」の環境が揃えばより良い結果が得られるはず、との考え方からコチョウランの原種栽培を解説しているウェブサイト「Cyber Wild Orchid」を参考に総括しています。

ちょっとおさらい。コチョウランにとっての適正温度と湿度を下表に掲載しておきます。昨今の住宅事情からすると、我が家のある千葉県では、特に「人間にとって快適な住空間」であれば、温度管理には苦労しないと考えています。ただ・・・湿度管理は厳しい・・・

季節と時間帯温度湿度
夏季(04〜09月):昼間32度以下60%以上
夏季(04〜09月):夜間25度以下80%以上
冬季(10〜03月):昼間20〜25度50%以上
冬季(10〜03月):夜間15度以上60%以上
引用ウェブページ:「Cultivation」より

一つの目標は、やはり「湿度60%」ですね・・・上記の表は、原種をベースに基準値を総括されていますから、我が家に存在している交配種(人間により改良が施されている)には、最良温度、湿度と考えて良いのかも知れません。ただ、夏季の夜間 80% 以上、冬季の夜間 60% 以上の湿度を達成するのは至難の業ですね〜

どうするか・・・

日当たり管理

コチョウランは、多くの参考書で「年間を通して、室内のレースのカーテン越しの日差しで十分」と解説されていることが多く、あまり気にしていなかった、というのが事実でしょう。また、室外に出して、あっという間に葉焼けしてしまった経験もあり、日当たりにはあまり気にしていなかった・・・しかし・・・

実際の問題として、野生種をポット植えで遮光率70%程度に周年置いた場合、一部の種では照度不足となり、花数が少ない、花を着けない、あるいは花茎が発生するものの蕾や開花に至らない、大株にならないなど多数の問題を生じます。

(中略)

十分な根と4枚以上の葉を着けたもの、さらに夜間に十分な湿度とCO2供給を行っている場合には、比較的高い輝度であっても、葉の温度を下げるための通風を十分に行っていれば葉焼けを起すことはなく健康に育ちます。

引用元:「Cultivation」より

上記の情報は、あくまでも原種に関するものですが、それでもやはり日当たりが重要であることに気が付きました。改めて、自宅における日当たり、特に照度を計測して、我が家では日当たり不足かな、と考えるようになりました。